おシンさんの嫁入り 今によみがえる忘れかけていた・・・いにしえの記憶。

結婚式の流れ

本日の花婿は、猪苗代町在住の佐藤剛太郎さん。
花嫁は、矢吹町出身の佐藤千秋さんです。
当時のしきたりに従い挙式いたします。
お二人の門出に町民をあげて祝福してあげたいと存じます。


新郎:佐々木徹二さん 新婦:渡部里美さん

嫁入り行列
方佐藤家のお使いで、青年たちが宰領を先頭に箪筍・長持ちを担いでまいります。
途中の集落や縁者の家の前では、掛け声がかかりその度に足を止め、長持ち唄を披露いたします。
上手に歌うことができないと、「それでは道を通す訳には行かない」と何曲も歌わされました。
それは意地悪ではなく、お祝いの一つの儀式でもあった訳です。嫁の家と、婿の家の中間よりも、嫁の家よりに「受け取り渡し」の場所が設定され、ここで婿方の佐藤家のお使いである青年たちに荷が渡されます。
嫁入り行列


受け取り渡し
受け取り渡し 領同士のやりとり会話が、上手に行かないとなかなか荷を渡して貰うことができません。
この当りが宰領の才の見せ所となります。
この儀式も祝言の大事な式の一つとなります。
無事に長持ちが到着いたしました。花嫁一行は中宿で休憩し、着替えや化粧直しをいたします。
本宿の前では、料理人と呼ばれる男性が、長持ちを迎えます。そして宰領は、無事に荷を受け取ってきたことを報告します。どの場面でも「謡」で式が進行しますが、ここ猪苗代では「会津宝生」「加賀宝生」といわれ、一部「観世流」もうたわれますが、ほとんどが「宝生流」でございます。
この当時、祝い唄や謡は、厳寒の農閑期にその集落の長老宅に集まり、長老を師として練習し、次世代に継承されてきました。箪筍・長持ちは正面を家のなかに向けて収めます。
箪筍には水引がかけられ、花嫁は、数日箪筍を開けることができませんでした。


結び
び(結びと言いますが、現在の結婚式にあたります)の準備が整いました。
迎えの者が中宿に花嫁を迎えに行きます。
花嫁は玄関から使いの者におぶわれて本宿に入ります。
台所(舞台袖)を回り仏壇に線香をたむけ結びの席に着きます。その他の客も舞台袖を回り本宿に入ります。
結びは嫁方の第1叔父の立ち合いで進み、男蝶・女蝶と呼ばれる子供の酌で盃に酒が注がれます。
一つの盃がおわるたびに「謡」が謡われ式が進んでいきます。
次に花婿・花嫁の両親との結びを行います。
本来は叔父叔母・兄弟・祖父母も共に行う訳ですが、本日は両親のみとさせていただきます。最後に謡の人達に「お流れ頂戴」と言われる酒が振る舞われ、謡の人達は「めでた」をうたい結びは終了いたします。
結び


振舞い
事、結びが終了すると、振舞いへと入って参ります。
振舞いとは、今で言うところの披露宴のことで、その時代の祝言は、親せき縁者・友人・知人と少なくても、3日3晩は続いたということです。お客様が着座すると袴姿の手伝い人が、お膳を運んで参ります。
婿方がまず謡を唄い、嫁方が謡で受けて振舞いが始まります。
「めでた」「まつざか」の順に唄われ、この唄がでないと宴は進行しない定めになっていたようです。
そして「しょうね節」と続きます。どの唄も猪苗代の独特の節回しで唄い、特に「しょうね節」は猪苗代特有のものでおもしろおかしく演じられます。この唄には踊りもあり、座布団1枚の広さの上で、踊らねばならないという、非常に面白い風習がございます。
振舞い また、鳴り物・お囃子も滑稽で是非一見の価値ありと存じます。
宴が進むと「水の物」と呼ばれる果物が配られ振舞いも半ばに入ります。次に、「五段のそば」とよばれる蕎麦が振る舞われます。蕎麦は縁起物であなたのそばで、いつまでも、長く一緒にいられるようにと願いを込め、そば口上を述べながら客人に蕎麦を勧めます。


半酒盛り
起物のそばも、無事に振る舞われました。
宴は「水の物」で「半酒盛り」と呼ばれ、半ばに入りこれからは祝い歌が繰り返されます。
「しょうね節」がでれば、無礼講でこれからは何を歌ってお祝いをしても良くなります。
花嫁の父の謡「千秋楽」がでると振舞いの席は終了となり、見参客から玄如節が唄われ帰途に着きます。
相伴の人は客人を送りながら、酒を勧めます。
これを「わらじ酒」と申します。
半酒盛り


「今によみがえる忘れかけていた…いにしえの記憶」懐かしかった昔の思いでに、
しばし時を忘れることが出来たでしょうか。
これからも、猪苗代に残された文化を保存・継承していくつもりでございます。
どうぞよろしくご支援の程お願い申し上げます。
また前庭では、体験と遊び・物産等いろいろと設営されております。
どうぞお立ち寄り頂き、ご覧いただきたいと存じます。
本日は本当にありがとうございました。



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